新しいパルプ化法

                        現水準で行くと、2050年のエネルギー起源のCO2排出量は1990年比で 120%つまり現状2.2倍になります。
                        このような中、弊社ではCO2(二酸化炭素)削減のために、様々な取り組みをしております。

間伐によるCo2削減
日本が活用できる森林吸収量は、ロシアやカナダなど広大な森林を持つ国に比べて単位面積あたりでは、10倍以上の大幅な吸収量が認められているにもかかわらず、2005年の環境省の試算によれば間伐、下刈りなどの管理作業が行れず、そのため本来4767万トンの炭酸ガス吸収が認められているはずが、管理された森林としてカウントできたのは、3750万トンとされています。日本の国内の森林は、管理されていない森林を含めると9600万トンもあるので、早急に国内の森林が全て管理される体制を、早急につくるべきであると考えております。

新しいパルプ化技術でCo2削減
今までパルプ化出来ず、燃料や償却処分していた木質廃材の、全排出量4644千トンの約54.7%の2541千トンがパルプ原料になり、その分だけ森林を保護し酸素と水の供給を受けることになる。

 

非木材であるバガス、EFB(油やしの房)(これはオイルパームの空果房くうかぼう、房の部分、Empty Fruit Bunches)麦わらなどは一部は有効利用されていますが、土中廃棄や焼却処理されている量が多いのが実情であり、EFBについては年間1000万トン以上が破棄されている現状があります。これらの非木質バイオマスを有効利用する方法として、ANCP法についてご紹介致します。

新型バーチカルタイプの特殊高濃度パルパーにて蒸解するため、ダイジェスター、蒸解釜と比較して省エネルギー、省コスト、高効率のパルプ化を達成できます。蒸解温度が100℃以下のため、大気圧下での蒸解となり、圧力容器が不要となることから、パルプ製造設備は非常にコンパクトになります。使用薬品も一般的な工業薬品2種のみであることもあり、原料発生場所(オンサイト)でのパルプ製造が可能になることから、少ない初期投資で低ランニングコストの設備建設、運営が可能です。
また、農業廃棄物のバガス、EFBや麻類、ケナフ(未レッティング靱皮)、竹などに適応可能です。未晒しパルプの白色度も高く、利用用途が広くなります。アルファセルロース94 %の高純度DP製造が可能です。試作品として、世界初のバガスDPよりレーヨン繊維も試作済みです。

ANCP®法の特徴(従来システムとの比較メリット)
★高効率
★コンパクト
★原料の適応性が広い
★未晒しパルプの白色度が高い
★高純度DP製造が可能

それではANCP法の設備フローをご紹介します。本例は油やしの房であるEFBを原料に用いた事例です。

<原料を粗破砕します>

<破砕した原料をANCP高濃度パルパーに入れ、洗浄をおこないます>

<次に1次蒸解処理をおこないます>

<そして2次蒸解処理をおこないます>

<そして漂白して溶解パルプが完成します>

 

弊社では図のようにANCP設備全体をご提供出来ます。